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 大学院

【農学研究科・連合農学研究科・
 連合獣医学研究科】

岩手大学の農学関連の大学院は総合科学研究科 農学専攻、総合科学研究科 地域創生専攻、連合農学研究科の他、新たに獣医学研究科も再編し、地域から世界に向けて学術研究成果を発信していきます。また学部内の3つの研究センター、附属施設、関連施設と連携して実践的かつ幅広い研究を行っています。

進学のイメージ
進学のイメージ
総合科学研究科について
「文理の枠を超えた幅広い視野を持って新たな価値を創造する人材の育成」の実現に向け、研究科全体を統合

これまでの学部研究科の枠を超えた復興活動の実績や、全学部・研究科が1キャンパスに位置する総合大学という本学の特徴を踏まえ、修士課程総体としての人材育成機能の向上・充実を目指し、2017年4月、大学院修士課程と博士前期課程のすべての研究科を統合し、総合科学研究科(修士課程)を設置しました。

【コース】
地域創生専攻/総合文化学専攻/理工学専攻/農学専攻

【特色】
①震災復興・地域創生、イノベーション、グローバルの3カテゴリーからなる総合科学科目群(共通科目)を開設。学生は、3つのカテゴリーすべてから授業科目の履修が必要。
②全ての専攻において、研究指導は、主任指導教員(専攻内)と副指導教員2名(1名は他分野の教員)による複数指導体制。

総合科学研究科 農学専攻(修士課程)
豊かな岩手の地で世界と地域の課題解決に貢献する人材を目指す

岩手大学 総合科学研究科 農学専攻では、植物、生物資源、動物をキーワードに集約・強化した3つのコースを設置し、農学分野における急速なグローバル化に伴う課題および東日本大震災からの復旧・復興のための応用技術、また東北地方の豊かな地域資源の活用などのローカルな課題の解決に貢献できる人材を養成します。農学・生命科学、特に寒冷地農学の教育・研究を深化させ、得られた成果を国の内外に広く発信することを目指しています。

【特色】
①植物、生物資源、動物をキーワードとし、生物学的、化学的手法に基づき教育研究分野をそれぞれ植物生命科学コース、応用生物化学コース、動物科学コースに集約して強化。これにより2016年度改組の農学部と一貫性ある教育プログラムを実施できます。
②専攻共通科目の「次世代農学特論」を必修で新設。「次世代農学特論」では農学の先端的理論や技術に関する授業のみならず、農業経済、農業経営の視点からの授業も行い、農学分野で広く活躍するための能力を養成します。
③アカデミック英語を必修化して英語教育を強化。これにより、国の内外の研究者との交流・連携強化を目指します。
④いずれのコースも学生の自主性によって将来、高度専門職業人を目指す高度専門教育重点科目群か研究者を目指す教育研究重点科目群を選択できます。

【養成する人材像】
農学・生命科学、特に寒冷地農学の教育研究の深化により農学分野においてイノベーションを興すために必要な素養を身につけた高度専門職業人や研究者

植物生命科学コース
分子からフィールドまで
幅広い科学的視野で農業を見つめる

高品質で安全な作物、果物、花などの栽培には、より良い品種を育種する事は勿論、植物が生きてゆくための分子メカニズム、気象変動や環境に対する応答、ウイルスや昆虫とのせめぎ合いなどを科学の視点から明らかにすることが必要です。植物生命科学コースは、農業に必要なこうした科学知見に加え、植物、ウイルス、昆虫がもつ能力を利用した次世代生産技術を利用する知識や技術を学ぶコースです。分子からフィールドまで幅広い科学的視野を持った園芸、植物病理、作物、昆虫、植物育種、植物生理、持続型農業生産の各分野を扱います。

応用生物化学コース
生物の生命現象や生態系システムを
「化学的」な側面から解明

微生物から動植物までと全ての生物をターゲットとした生命現象や、生物の生存環境である生態系システム、生物が作り出す物質や食品素材の特性や機能を、主に「化学的」な側面から解明することを目指します。無機化学、有機化学や生物化学を基盤とし、生物圏における物質循環、先端的な技術を用いた微生物・動植物の生物機能の解析、食品の物理・化学的な特性解析と加工技術の開発、疾患予防に向けた栄養や生物資源の健康機能の解明に関わる高度に専門的な知識と実験技術を学ぶことができます。

動物科学コース
ヒトと動物が共生する
豊かな社会の実現を目指す

産業動物・実験動物・展示動物・野生動物などを対象として、動物科学及び生命科学全般に関する基礎的・応用的研究を行います。具体的には、動物の生理、生態、栄養、遺伝、繁殖、行動及び動物性食品等に関わる高度な専門知識を学びます。動物科学で扱う動物は、反芻動物やニワトリなどの産業動物、野生動物、展示動物、実験動物と多岐に渡っています。それぞれの動物の特徴を生かした研究ができます。

総合科学研究科 地域創生専攻(修士課程)

地域創生専攻では、持続可能な地域社会の構築に欠かせない“産業”、“まちづくり”、“ひと”という3つの視点に対応する人材育成のため、「地域産業コース」 「地域・コミュニティデザインコース」 「人間健康科学コース」を設置。各コースには3〜4の専門教育プログラムが置かれ、いずれかを履修することでその専門性を深化させます。また同時に、コース全体としての演習科目の履修により、プログラムの枠を超えた多角的・全体関連的な視野を身に着けます。
農学部卒業生は以下のコース・プログラムに進学しています。

地域産業コース 高度農林業プログラム

地域の資源と産業を幅広い視野からトータルシステムとして捉える

学士課程で農業とその周辺の専門分野あるいは林業とその周辺の専門分野を修得した学生を主たる対象とし、地域の資源と産業を幅広い視野からトータルシステムとして捉えるためのカリキュラムを設定しております。これにより、各分野の専門性を基礎としつつ、産業間の垣根を越えた地域システムをトータルに捉える視点を持ち、農商工連携の6次産業化など地域内での付加価値創生に向け、地域の産業構造の転換と新たな産業創成を担い得る人材を育成するための教育を行います。

地域産業コース 水産業革新プログラム

日本・世界の水産業の持続的発展に寄与できる人材を育成

水産業に関わる基礎から実践にいたる一連の分野について横断的に学びます。総合的な観点から三陸沿岸域の水産業の復興と活性化を図り、日本や世界の水産業の持続的発展に寄与できる専門職業人と、産業システムとしての水産業における技術革新の礎となる科学的発展に寄与できる専門人材の育成を目的としています。水産業を構成する生産(漁獲)、加工、流通、販売の一連の連結系と、それを支える地域産業、社会、文化のいずれかの分野に専門性を置きつつも、総合的な視野に立って課題解決が出来る専門的職業者や研究者を育成します。

地域・コミュニティデザインコース 防災・まちづくりプログラム

東日本大震災の教訓を踏まえ、復興と地域の創生への貢献を目指す

岩手大学が取り組んできた復興に関する実践知に基づいた教育研究プログラムを提供。非被災地と新たな居住地とからなる居住環境の形成、災害公営住宅等での高齢者の見守り、定住・交流人口の拡大等の課題解決には、政策・制度設計、地域・都市計画、地域防災、ICT活用等からなる総合的なアプローチが必要です。本プログラムでは、こうした防災・まちづくりに関する地域課題解決を図るための深い専門性と実践力を備え、防災・まちづくり関連企業、防災・まちづくり関連のNPO等の法人職員、公務員、大学等研究機関等で活躍できる人材を育成します。

連合農学研究科(博士課程)
寒冷圏における生物学的研究を基盤とし、生物生産科学などに関する先端的研究を推進

本研究科では、岩手大学と山形大学大学院農学研究科、及び弘前大学大学院農学生命科学研究科の教員組織、研究設備及び施設の連合により設立されています。標準修了年限3年の博士課程の研究科です。寒冷圏における生物学的研究を基盤とし、生物生産科学、生物資源科学、地域環境創生学に関する先端的・学際的な諸研究を推進しています。

【コース】
生物生産科学専攻/生物資源科学専攻/地域環境創生学専攻

生物生産科学専攻

農業生物及び有用な生物資源を広く研究対象とし、その生理・生態や遺伝子資源としての評価等の基礎研究とともに、新しい生物生産技術の開発や有用な遺伝子資源の保全方法の開発、有用生物に対する病虫害及び土壌等の生産環境、生物生態の制御に関する研究教育を行う。

生物資源科学専攻

農業生物を含め広く生物資源を研究対象とし、それらの生物機能や遺伝に関する基礎研究及びその機能の利用や食品加工技術、遺伝的改良技術の開発などの研究教育を行う。

地域環境創生学専攻

農林漁業生物を含む生物資源の生産・保全に関する環境要因やその作用機構に関する基礎研究、それらの要因制御の方法の開発に関する研究教育を行う。また、生物資源の生産と持続的な利用の基礎となる土地、海洋、水資源の管理や利活用に関する基礎と応用に関する研究教育を行う。

獣医学研究科(博士課程)
岩手大学と東京農工大学の共同大学院。
両大学の4つのセンター及び連携機関と協力し、教育研究において更なる相乗効果の創出を目指す

岩手大学と東京農工大学で掲げた共同獣医学科の教育理念「人類と動物の健康と福祉に貢献する」を更に深化し、東日本における高度教育研究拠点として成長していくために、学部教育と大学院教育を連接した段階的・体系的な教育、さらに新たな共同カリキュラムを組み込んだ獣医学分野における研究者及び高度専門職業人育成のための大学院教育組織の構築を目指し、設置されました。岐阜大学連合獣医学研究科の実績を踏まえ、新たなステップである共同大学院として再編、地域が抱える専門性の高い社会的要求に応える獣医学博士を育成します。共同獣医学専攻の設置により、首都圏及び東北地域を中心とした東日本エリアにおける食品の生産と消費、安全安心、公衆衛生の面で地域社会に貢献し、創薬分野など新たな人材需要にも対応していきます。

【養成する人材像】
①獣医学の基盤を担う動物基礎医学に関する高度な専門知識と研究能力を備えた人材
②動物衛生及び公衆衛生に関する高度な専門知識と研究能力を備えた人材
③産業動物及び伴侶動物の獣医療に関する高度な専門知識と研究能力を備えた人材

【教育課程の特色】
教育理念に基づき、指導体制を3つの大講座(動物基礎医学講座、獣医衛生科学講座及び獣医臨床医科学講座)に集約し、高度な獣医学を実施する組織体制を踏まえたカリキュラムを提供
主指導教員及び副指導教員2名の3名による指導体制により、きめ細やかな研究指導を実施

【カリキュラムの特色】
①連合大学院で培ってきたノウハウを活かし、両大学の強みを組み込んだ5つの科目群を設け、体系的な科目履修が可能
②両大学が有する4つのセンターを軸とした両大学の強みを特徴づける獣医学学際科目を開講
③両大学の立地環境を活かして国や地方の研究機関との連携により先端実施科目を開講