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研究室紹介

森林工学研究室(森林科学科)

多様な森林資源を持続的に利用するための基盤施設である森林路網、作業システム、林業機械を対象として、森林作業の生産性・経済性の向上、労働安全衛生の確保、また森林環境に与える影響の低減などの観点から研究を行っています。

所属教員
齋藤 仁志    
キーワード
林業    森林    生産技術    資源    

研究内容

(1) 情報化技術を活用した路網計画

適切に森林を利用し管理していくためには、人や機械が森林に到達することが可能な路網の整備が重要になります。一方で近年気象災害が増加しており、路網が損壊してしまうことも散見されます。森林域という不安定な環境下でも安定した路網を開設するため、レーザー計測による詳細な地形情報等の情報化技術を生かし、安定した地形を事前に把握しながら路網計画を行う手法の研究を進めています。

 

(2) 効率的な木質資源収穫システム

日本の林業現場で建築材などに利用されない未利用森林資源を効率的・経済的に収穫し、発電や熱供給などのエネルギーとして利用するための作業システムについて検討しています。これまでのところ、間伐方法や集材方法の改善(列状による間伐や枝葉の付いた材(全木材)の集材)によってコストを低減できること、利用できる材の大きさ(材積)や形状が収穫システムの生産性やコストに大きく影響することなどが明らかとなっています。現在さらに、建築材などの用材生産と組み合わせた輸送・粉砕・仕分けの効率的なシステム、ワイヤロープを用いた架線集材による全木材の効率的な収穫システムなどについて検討を進めています。

 

(3) 長伐期施業における作業システム

これまで日本の林業では50年程度を目安に伐採(皆伐)して次世代の森林を造成していくことが標準とされていましたが、伐採までの期間を100年以上として、その間繰り返し間伐を行って収入を得ていくという林業経営(長伐期施業)が試みられるようになってきています。長伐期施業を行うと、針葉樹と広葉樹の混交林など環境保全と木材生産が両立できる豊かな森林を造成できます。これまでの本学演習林を中心とした調査結果では、高齢の間伐木になると材積が増大し、また樹高も高くなって道路までの距離が短くなり、生産コストが低減することなどが明らかとなっています。一方で伐採木が大きくると、それに対応した機械の大型化や、高規格な道路整備などについても検討が必要になるため、長期の視点で木材生産技術を検証しています。

 

 

効率的な林業機械による作業

効率的な林業機械による作業

 

情報化技術活用し詳細な地形を把握

情報化技術活用し詳細な地形を把握