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研究室紹介

動物生理学研究室(動物科学科)

 食品成分・栄養素による生体調節機能を研究しています。特に自然界に存在している様々な脂質の機能性・有用性に注目し、その作用を理解するとともに、疾病の予防や健康の増進につなげることを目指しています。

所属教員
西向 めぐみ    
キーワード
実験動物    家畜    食と健康    食料・食品    

研究内容

 私たちが食事として摂取している脂質の中で、摂取量として最も多いのは中性脂質ですが、その次に多いのはリン脂質です。また、リン脂質は生体膜の構成成分としても、非常に重要な物質です。リン脂質には様々な種類があり、生体内での動態、食品としての機能性のどれをとっても、研究対象として面白い物質です。

 リン脂質の中でも主にプラスマローゲンというリン脂質について研究をおこなっています。プラスマローゲンは、脳や心筋など酸素消費量の多い組織に多く含まれています。プラスマローゲンのsn-1位のアルケニル基(ビニルエーテル基)はラジカル感受性が高く、組織局在性と合わせて考えると、酸化傷害から細胞を守る役割を持つことが考えられ、アルツハイマー病や動脈硬化症など酸化ストレスが関係する病態の防御因子としての機能が示唆されています。しかしながら、その生理機能の探索はいまだ不十分です。これまで、動脈硬化症と体内プラスマローゲン濃度の関連の検討や体内プラスマローゲン濃度を増加させる物質に関する研究を行ってきました。現在は、皮膚にもプラスマローゲンが多く含まれていること、また、皮膚は体の最外殻にあり、常時、酸素に暴露されていることから、皮膚のバリア機能におけるプラスマローゲンの役割を検討しています。皮膚のバリア機能を解明し、皮膚バリア機能を強化・保護することは、ヒトばかりでなく動物にも広がっているアトピー性皮膚炎の予防や軽減に有効な手段にもなると考えています。

 また、その他の動物由来、植物由来の脂質に関しても、吸収を含めた生体内での動態に関する研究をおこなっています。

 イメージ的にはあまり良くない脂質ですが、生体に必要不可欠な成分です。畜産物を含め自然界に存在している様々な脂質(脂溶性成分)の有用性、新たな機能性をもったリン脂質の研究基盤を構築し、ヒトや家畜を含めた動物の健康維持に貢献していきたいと考えています。

 

様々なリン脂質を含む食品

doubutuseiri リン脂質は中性脂質の次に多く摂取している脂質です。