食料農学科
【4年制】
農学コース【定員30名】
食品健康科学コース【定員20名】
アドミッションポリシー (入学者受入の方針)
入学者に求める資質(求める学生像)
- 【農学コース】
(知識・技能・理解・思考力・判断力・表現力) - 農学および農学を取り巻く学問体系を学ぶのに相応しい基礎学力を有する人
- 農作物や農業生物を有益な資源として生かすために技術を学ぶのに相応しい基礎学力を有する人
(関心・意欲・態度・主体性・協働性) - 持続的な食料の安定生産・供給を実現するための戦略・論理・技術を学ぶ意欲のある人
- グローバルな視点から、農業および食品産業の抱える諸問題の解決に積極的に取り組む意欲のある人
- 【食品健康科学コース】
(知識・技能・理解・思考力・判断力・表現力) - 食品素材の特性の解明と応用を学ぶのに相応しい基礎学力を有する人
- 食品・栄養成分の体内での動きの解明とその健康への関わりを学ぶのに相応しい基礎学力を有する人
(関心・意欲・態度・主体性・協働性) - 健康と食品機能について専門的知識を修得する意欲のある人
- 食品・栄養成分、天然資源の化学的特性と生体利用の解明について専門的知識を修得する意欲のある人
- 食や健康に関する課題に対応した高度な食品加工に関する知識と技術を修得する意欲のある人
学科概要
持続的な食料システムの構築を実現するためには、食料生産から食品にいたるプロセスを含有する教育・研究が必要不可欠であり、その両者の観点を有する人材は、次世代の食料生産と食品・健康に関する課題解決に有益な人材となり得ます。その背景から、食料農学科では、農学に関連した産業の持続的な発展と振興に関する分野、国内外の食品産業の発展や超高齢社会における食を通じた人々の健康に関する分野を教育研究していきます。これにより、地域・国際社会での食料生産、食品供給、健康分野における課題解決や新しい価値の創出を通じて、健康で持続的な食料と食品の生産・供給を担う人材の育成を目指します。

1
人類の生存基盤である食料の生産とそれを基にした食品に関わる知識と技術の教育と研究を行い、地域・国際社会での食料生産、食品供給、健康分野における課題解決や新しい価値の創出を通じて、健康で持続的な食料と食品の生産・供給に関する教育を行います。
2
持続的な食料生産のため農業および食品産業の問題解決に貢献できる人材の育成を目的に、農作物の栽培技術の高度化とその生産基盤となる土壌の保全、植物の生産性・機能性の向上、品種開発、植物ウイルスを利用した先端技術の開発、食料安全保障を支える政策・戦略などに関わる教育を行います。
3
国内外の食品産業の発展や超高齢社会において食を通じた人の健康に寄与できる科学的な知識と広い視野を備えた人材の育成を目的に、食材や食品、その成分の物理的・化学的特性、高度な食品加工に関する知識や技術、食品、栄養および天然資源の健康機能性などに関する教育を行います。
人材育成像
農学コース
持続的な食料生産のため農業および食品産業の問題解決に貢献できる人材の育成を目的とする。そのために、農作物の栽培技術の高度化と作物生育の基盤となる土壌の保全、多様な植物の生産性・機能性の向上、有用作物の品種開発、植物ウイルスを利用した先端技術の開発、食料安全保障を支える政策・戦略などに関する教育・研究を通じ、農学に関する専門知識と技術を身につけ、社会のリーダーとして活躍できる専門職業人、またグローバルな視点をもった研究者・技術者として国内外で活躍できる人材を育成する。
食品健康科学コース
国内外の食品産業の発展や超高齢社会において食を通じた人々の健康に寄与できる人材の育成を行うことを目的とする。そのために、農産物の利用や加工に関わる食材や食品とそれらの成分の物理的・化学的特性、高齢社会にも対応する高度な食品加工に関する知識や技術、人々の健康に係わる食品の栄養性や疾患との関わり、健康機能性に関する知識と高付加価値食品の開発、多様な農産物や天然資源からの医療や健康に貢献できる物質探索とその応用、日本酒などの地域の伝統食産業や発酵産業の発展に繋がる専門知識や技術、食品の品質や安全性の管理で求められる数理データサイエンスを学習し、地域社会及び多様なグローバル社会の中で高いコミュニケーション能力を備えて、食品・健康産業に寄与できる科学的な知識と広い視野を備えた人材の育成を行う。
コース紹介


食料農学科農学コースは、人間生活に役立つ食用作物や園芸作物の生産技術、品種育成、機能開発、および流通や経済などに関して“ 岩手大学ならでは” の卓越した基礎および応用研究を推進することで“ 農学”に関する専門知識と栽培技術を習得し、地域社会のリーダーとして活躍する専門職業人、またはグローバルな視点を持った研究者・技術者として国内外で活躍できる人材の育成を目指しています。
7つの研究教育分野からなり、作物学分野では環境と調和し異常気象に負けない持続的な食用作物の生産に関する研究、園芸学分野では園芸作物(果樹、花卉、蔬菜)の栽培技術の開発と新品種育成のための研究、土壌学分野では土壌微生物の有用機能の利用に関する研究、植物栄養生理学分野では光合成を利用した作物の生産性向上に関する研究、植物育種学分野では作物生産に重要な形質の遺伝や品種育成技術に関する研究、植物病理学分野では園芸作物の安定生産に貢献するための植物ウイルス病の検出・同定や利用技術に関する研究、農業経済学分野では農業問題や食料・環境問題に対して真正面から取り組み、広く農業の発展に寄与する戦略の研究に取り組んでいます。
カリキュラム

※2025年度(令和7年度)のカリキュラムです
科目紹介
食用作物学I〈2年後期〉
私たちが日々食している食用作物,特にコムギ,マメ類,イモ類,雑穀類の基礎的な知識(起源地,生理・生態的特徴,栽培法,国際穀物市場での位置づけ)を理解するとともに,わが国の気候風土でそれらを栽培する上での制限要因を理解する。
園芸学I〈2年後期〉
本講義では、より専門的な園芸学の内容を理解するために必要な、園芸作物における形態、生態、生理などの基本特性、育種、繁殖、栽培ならびに生産物の取り扱いなどの基礎的事項を習得させる。
植物栄養生化学〈2年後期〉
植物が独立栄養生物として生きていくための基盤を学ぶ。このため、植物の器官や細胞の形態と機能、植物の機能のうち最も重要なものの一つである光合成、光合成で獲得した炭素の貯蔵、輸送と利用について、生化学的側面から取り上げる。
食料経済学〈2年前期〉
経済のグローバル化が進展していく中で、日本の農業は食料自給率の低下、後継者不足、農家雇用労働力の減少、農地の利用率低下等、新たな問題に直面している。本講義では、こうした食料・農業問題の現状を把握し、今後の農業における方向性を経済学、経営学の視点から検討する。
進路・資格
【想定される進路】
国家公務員(総合職、一般職) 地方公務員(技術職) 独立行政法人(研究職) 農業関連団体 種苗関連企業
医薬品・食品関連企業 情報・通信業関連企業 農業法人 大学院進学【取得可能な資格等】
高等学校教諭一種免許状(理科、農業)、普及指導員(受験資格)、環境衛生監視員(任用資格)
食料農学科食品健康科学コースでは、国内外の食品産業の発展や超高齢社会における課題に対応し、食品成分や天然資源を活用して人々の健康に貢献できる科学的な知識と広い視野を備えた人材の育成を目指しています。
本コースでは、以下のような教育研究体制を整えています。農産物の利用や加工に関わる食材や食品の成分の物理的・化学的特性、高齢社会にも対応する高度な食品加工法、人々の健康に係わる食品の栄養性や代謝制御の機序とその破綻による疾患との関わり、食品成分の健康機能性と高付加価値食品の開発、多様な農産物や天然資源からの医療や健康に貢献できる物質探索とその応用、日本酒などの地域の伝統食産業や発酵産業における食品製造などに関して、基礎的および専門的な知識および実験技術に関する教育と関連する研究を行っています。さらに社会で活躍する上で必要な語学力、コミュニケーション能力およびプレゼンテーションなどの発信力に関する教育も行います。
卒業および大学院修了後は、食品・医薬品関連企業や食品・環境分析企業、食品衛生・環境監視関連の公務員等での活躍が期待されます。カリキュラム
※2025年度(令和7年度)のカリキュラムです
科目紹介
食品化学〈2年前期〉
この講義では、食品を多成分系として理解するために、栄養成分、風味や香り、添加物の化学的性質を概説する。食品中の栄養の化学的構造や性質、加工や調理過程での成分間の相互作用を考察し、化学的変化が食品の品質や栄養価に与える影響を探る。得られた知識を食品の選択や新製品の開発に役立てる方法についても議論する。
食品生化学〈2年後期〉
食品に含まれる香気物質、呈味物質などを検出するのは種々の受容体タンパク質である。この講義では、遺伝情報を基にタンパク質が生合成される過程とタンパク質の分子構造について概説したのちに、化学感覚受容の生化学的過程について詳しく説明する。
天然物化学〈2年後期〉
天然物化学の基礎は有機化学であり、炭素を中心とした化合物の学問である。生体構成成分である核酸やタンパク質(酵素)、医薬品、食品成分や環境ホルモン等も有機化合物であり、それらを含む様々な天然由来の有機化合物を取り上げて、官能基の性質、立体化学や特徴的な有機化学反応について概説していく。
栄養化学〈2年後期〉
この講義では、栄養素の代謝、生理活性物質や食品成分による代謝調節などについて学ぶ。具体的には、食品成分の消化・吸収、炭水化物、脂質やタンパク質の代謝と栄養およびビタミンやミネラルの代謝調節、栄養代謝とその関連疾患について理解を深める。
進路・資格
【想定される進路】
食品製造・バイオ・発酵関連企業 医療・医薬品関連企業 食品・環境分析企業 公務員(化学職) 大学院進学
【取得可能な資格等】
高等学校教諭一種免許状(理科、農業)、食品衛生管理者(任用資格)、食品衛生監視員(任用資格)、環境衛生監視員(任用資格)