研究室紹介
研究内容
(1)バベシア症の制圧に関する研究
犬バベシア症は赤血球内に寄生するバベシア原虫が引き起こす病気です。
症状は発熱、貧血、血小板減少などです。
治療にはジミナゼン製剤が主に使われますが、効果が低くなることがあります。このため、
- 犬バベシア症の新規治療法を開発するため、さまざまな薬剤による犬バベシア症の治療を試みています。これは、培養しているバベシア原虫を用いて試験管内で試験をした上で、実際の犬への投与も試みています。
- バベシア原虫に対して、ジミナゼン製剤などの治療薬がなぜ効かなくなるのか、その原因を探しています。まず、治療薬に対する耐性を獲得した原虫を試験管内で作成し、これらと薬の効く原虫の違いを探しています。
- 犬バベシア症の治療戦略の確立を目指して研究を行っています。
(2)血管新生阻害による犬猫の腫瘍の治療法の確立
近年ではイヌやネコも長生きするようになり、腫瘍が死因の上位を占めるようになってきました。この腫瘍は血管から酸素や栄養が供給されることにより発達するため、腫瘍の発達には血管新生が必要不可欠であるといわれています。
- 腫瘍の診断や治療を行うために、血管新生因子と実際の血管新生の研究を行うことで、血管新生メカニズムの解明に取り組んでいます。
- 血管新生を阻害することで腫瘍の増殖を抑えようという考えから、血管新生阻害を目的とした抗癌剤の研究をしています。
(3)犬猫の細胞診断
私達も含め、生き物の身体は非常に多くの細胞から成り立っており、この細胞が異常を起こすことで身体は病気となります。顕微鏡を使ってこれらの細胞をみることで診断の手助けとなり、また、病気の早期発見が出来るように研究に取り組んでいます。