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研究室紹介

環境動態研究室(食料生産環境学科)

人間活動により放出される物質の環境中における移動や反応に焦点をあて,その原因と対策を研究し,農業環境問題解決へ応用することをめざしています.

所属教員
颯田 尚哉    
キーワード
土    水    環境    

研究内容

研究手法の特徴:当研究室は、どこ(水、土壌、大気、植物など)に、どんな物質が、どれだけあるかという情報が出発点ですので、分析化学の手法用いた(環境)中の物質測定を行うことになります。農村地域デザイン学コースのカリキュラムでは、扱う科目が少ないため、研究室に来てから、学ぶことが多くなります。

図1 平成17年の青森・岩手県境不法投棄現場

  青森・岩手県境に日本最大規模の不法投棄現場が発覚したのは、平成11年になります。図1は廃棄物と雨水の接触を防止するための表面遮水の状況です。両県別々に特別措置法に基づいた原状回復対策を行い、両県共に平成25年度末で投棄された廃棄物の撤去は、完了しました。青森県側の廃棄物撤去量は115万t、岩手県側の廃棄物撤去量は36万tとなり、総量151万tにのぼりました。現在は残留している汚染水の処理のための浄化対策が行われています。 岩手県 では、土壌や地下水の汚染水の処理のうち、1,4-ジオキサンという有害物質の分解のために、促進酸化法を平成23年度から採用しています。その最、本来ほとんど農作物に無害である臭化物イオンが有害性の強い臭素酸イオンに変化します。不法投棄現場からの放出の現状把握を行うとともに、臭素酸の環境中での挙動の解明に迫ります。図2は、南調整池の臭素酸(BrO3)とヨウ素酸(IO3)の経時変化で、H23年7月より濃度は急上昇しています。これは汚染地下水処理施設の促進酸化処理の開始時期と一致しています。処理水は南調整池に流入しているため、臭素酸とヨウ素酸の濃度上昇は、促進酸化処理による副生成と考えられます。汚染水処理は29年度までは少なくとも継続するため、水質のモニタリングが必要です。本研究室では、水質分析を継続したいと考えています。

図2 南調整池の臭素酸とヨウ素酸の経時変化

図3 臭素酸のコマツナの成長への影響

 臭素酸は人間への発ガン性が指摘されていますが、植物への影響は未解明です。図3のように農作物の生長に悪影響があることがわかりました。今後は、悪影響を防止したり、緩和したりする方法を開発する必要があります。本研究室では、この課題に取り組みたいと考えています。

  

図4 水中放電の一例

 電気電子工学科の先生と共同研究です。水の中で放電させ(雷をつくります)、その放電エネルギーで、様々な活性種をつくります。図4は、水の中で放電している様子です。廃水の処理として、現状では、ジクロロメタンやフェノールの分解に成功しています。また、水中放電には殺菌効果と窒素溶解効果もあり、放電水で農作物を育てる方法を研究します。図5は放電水でイチゴを育てたときの様子です。放電水を用いると良く育つことがわかります。本研究室では、廃水処理への実用化の課題や農作物の生育への応用の課題に取り組みたいと考えています。

  

無処理     放電水15分   放電水30分      

図5 放電水によるイチゴの栽培