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研究室紹介

獣医環境衛生学研究室(共同獣医学科)

人の健康に対する様々な危害因子のうち,物理化学的因子,すなわち,放射線(放射性物質),重金属,環境汚染化学物質などの危害特性の解明,曝露の評価ならびに危害の制御に関する研究を行っています。

所属教員
佐藤 至    
キーワード
土    家畜    環境    食と健康    

研究内容

最近の研究内容をいくつかご紹介します。

1.空気清浄機による肺のDNA損傷

ウィルスなどを不活化する機能を持った空気清浄機の多くは,空気中に活性酸素を放出することによってその機能を発揮しますが,活性酸素は生物にとって有害であるため,生体,特に肺に対する影響評価が不可欠です。本研究では,A,B,C3社の製品を用いてマウスの肺に対するDNA損傷を評価しました。 空気清浄機の風に48時間曝露すると,AとBで肺のDNA損傷が認められました(図1)。Bは1立米の閉鎖空間では2時間でもDNA損傷を引き起こしました。この結果は,機種によっては特殊な条件下で肺のDNA損傷を引き起こしうることを示しています。

2.ツキノワグマの鉛汚染状況

狩猟に使われた鉛弾に起因する水鳥や猛禽類の鉛中毒が大きな問題になっていますが,野生哺乳類の鉛汚染の状況はあまり知られていません。そこで,1999年から岩手県内で捕獲されたツキノワグマの鉛汚染状況を調査しています。 鉛濃度の中央値は肝臓で0.24mg/kg,腎臓で0.21mg/kgでしたが,肝臓で約8%,腎臓で約5%の個体が1.0mg/kgを超えており,ツキノワグマでも鉛汚染が生じている可能性が認められました(図2)。しかし,鉛濃度が高い個体の割合は近年減少傾向にあり,2002年に強化された鉛弾規制が関係しているのかもしれません。

3.放射能汚染問題に関する取り組み 2011年3月の福島第一原子力発電所事故によって東日本の広い地域が放射性物質によって汚染されました。当研究室ではこの事故の以前から放射性物質に関連する研究を行っていましたが,事故以降は食品や環境の汚染状況調査,牛における放射性セシウムの分布や動態の解明,農作物の放射能汚染の抑制などの課題に取り組んでいます。写真は放射性物質の測定に使われるゲルマニウム半導体検出器です。