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研究室紹介

植物病理学分野 植物病理学研究室(植物生命科学科)

果樹を中心としたウイルス性病害について病原ウイルスの分離・同定、およびその伝染方法等に関する基礎的研究を行っています。さらに、植物ウイルス研究を発展させ、農業や人間生活に役立つバイオテクノロジーをめざしています。

所属教員
吉川 信幸     磯貝 雅道    
キーワード
ウィルス    果樹    植物    生命科学    

研究内容

1.寒冷地果樹に病気を引き起こすウイルスの基礎研究

リンゴ・ブルーベリー・ラズベリーなどの東北地方の重要な果樹のウイルス性病害について、ウイルスを分離・同定し、そのゲノム構造や遺伝子機能について解析しています。そして、これらの研究結果をウイルス病の診断や防除に役立てます。

 

2.無害なウイルスを使って植物の開花を早める新技術開発

植物は、種子が発芽すると体が大きくなるまで葉・茎・根が成長を続けます。この期間は幼若相と呼ばれ、開花・結実は起こりません。例えば「桃栗三年、柿八年。ナシの大馬鹿18年」の諺にあるように、特に果樹類では開花まで数年〜十数年かかります。そのため、交雑による品種改良には非常に長い時間(10年〜数十年)が必要です。そこで私たちの研究グループでは、植物に無害なウイルス(リンゴ小球形潜在ウイルス)を遺伝子の運び屋(ウイルスベクター)として利用する研究に取り組み、植物の開花を早める遺伝子“フロリゲン”を発現する遺伝子組換えウイルスを作出しました。このウイルスベクタ―をリンゴやナシの発芽直後の子葉に接種すると、1〜2ヶ月後には開花が始まり、数ヵ月で果実と種子ができます。通常5〜10年かかるリンゴの1世代(種から次世代の種まで)を1年以内に短縮できることになります。この技術では、遺伝子組換えウイルスを使うのですが、次世代の植物(実生)にはウイルスは残りません。

 

3.植物ウイルスの伝染に関する研究

受粉は、種子植物にとって、種子を形成して次世代に子孫を残す重要なプロセスです。また、農業にとっても果実生産・種子生産に必要なプロセスです。しかし、植物ウイルスの中には花粉により伝染してしまうものが存在します。植物ウイルスの花粉伝染が報告されて約100年になりますが、どのようなメカニズムで伝染していくかは不明でした。我々は、花粉管の柱頭への侵入および花粉管の花柱での伸長により柱頭・花柱でウイルス感染が成立し授粉した植物全体に広がっていくことを明らかにしました。さらに、花粉管が受精のために胚のうへ侵入する際、ウイルスが持ち込まれてウイルスが種子に感染することを明らかにしました。これら研究結果を防除に役立てます。