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研究室紹介

動物遺伝育種学研究室(動物科学科)

超早期妊娠因子・始原生殖細胞・野生動物医学の基礎から応用までを行い、動物細胞から種個体まで幅広く動物の多様性について研究を進めています。

所属教員
松原 和衛    
キーワード
動物    実験動物    生命科学    産業動物    野生動物    

研究内容

1.超早期妊娠因子(Super-EPF)は、受精後24から48時間以内に母体血液中に出現する物質で、ヒトを含め多くの哺乳類に検出されています。この物質は1974年にオーストラリアの研究者が初めて報告しましたが、現在もなお構造は決定されていません。多くの研究者がその本体を探すべく努力しましたが、妊娠の極初期に存在する物質であること、検出方法が複雑であることから研究者は少なくなりました。日本国内では我々の研究グループのみとなり、世界的には発見者グループと我々のみの研究です。本研究は研究開始から30年になろうとしています。胚の存在は、ヒトで30日(hCG)、ウシで30から40日(直腸検査法)、ウマで20日(超音波法)になって初めて確認されますが、それ以前の一般的な検出の手だては今のところありません。もし、Super-EPFの測定方法が簡易化されれば、受精卵移植や顕微受精による胚の生存を早い段階から知ることが可能となります。我々は、妊娠ウシ50頭の血液約600LからSuper-EPFを精製し、その構造決定とSuper-EPF簡易測定系の開発を中心に研究を行っています。この測定法により、ウシおよびヒトの胚をモニターする受精診断に応用できます。また、Super-EPFはリンパ球の機能を局所的に抑制する物質でもあることから、臓器移植における免疫抑制剤としての利用も考えられます。

2.発生初期の研究としてニワトリとマウスの始原生殖細胞(PGC)の研究を行っています。PGCそのものの基礎的な研究が不十分であることから、分離方法の確立、電子顕微鏡による観察や抗体の作出を中心に研究を進めています。地域貢献のため天然記念物の岩手地鶏と比内鶏のPGCsの研究を岩手県および秋田県の畜産研究所とともに共同研究を行っており、最近では白色レグホンから比内鶏を生産することに成功しました。また、マウスPGCの実験ではMouse PGC-IgGを世界で初めて作製し、本抗体が交配後11.5から13.5日目までの胎仔PGCに特異的であることを確認しました。今後は試験管内でPGCから精子や卵子を作出する技術を開発したいと思っています。

3.野生動物医学に関する研究として、ニホンカモシカの血清タンパク多型や糞中DNAによる雌雄判別および個体識別について研究を行っています。本研究室が長年培って来た技術を野生動物医学のために応用しようという試みです。また、ニホンジカやニホンカモシカの鉄道接触事故を減らすための基礎研究および、動物園の動物を使用した研究も行っています。